自己資本比率が高すぎるがために悩みが発生することもあります。
この点についても理解を深めておきましょう。
悩みの発生原因は負債と純資産の調達コスト
まずは、自己資本(純資産)であれ、負債(借入金etc)であれ、調達コストが必要となることは理解しておきましょう。
負債と自己資本(純資産)を構成するもの
負債:借入金、社債、買掛金etc
純資産:資本金、資本剰余金、利益剰余金etc
負債の中でも買掛金は金利が掛からないものです。このように金利が掛からない負債を無利子負債と呼びます。
ですので、ここでは有利子負債が調達コストに当たることになります。
そして、今現在における一般的な調達コストは1~2%程度になっています。
一方、純資産については負債の部分と異なる考え方が求められます。
ここでいうコストが株主への配当、いわゆる期待利回りを意味するからです。
そのため、「純資産における調達コスト = 国債金利 +α」として考えなくてはなりません。
※なぜ「純資産における調達コスト = 国債金利 +α」が成り立つか
⇒ 投資家は、国債金利と同じ利回りであれば国債を買ったほうが良いと考えるため。その分、+αの金利が必要となる。
この+αは株式の変動率にもよるが、数%、場合によっては10%以上掛かっていたりと、企業によって様々です。
ただ、優良企業であっても最低5%程度は掛かっているとされています。
ということで、
負債の調達コスト < 純資産(株主資本)の調達コスト
という不等式が成り立つことになります。
そして自己資本比率が高い企業では高い調達コスト、いわゆる純資産(株主資本)の調達コストが負担になりうるということを知っておく必要があります。