この記事では財務分析を行う手順について説明します。
ただし、そもそもの財務分析において"絶対にこうしなくてはならない"という明確なルールはありません。
ここで紹介する内容は、あくまで一手順であるということを御理解頂き読み進めて下さい。
基本的な分析手順概略
手順は大きく分けて3ステップとなります。
- 安全性分析
- 収益性分析
- 成長性分析
各分析で用いる財務諸表
安全性分析:貸借対照表
収益性分析、成長性分析:貸借対照表/損益計算書/キャッシュ・フロー計算書
なぜ安全性分析を最初に行うのか
会社にとって短期的な倒産リスクがあるかを確認しなくてはなりません。
なぜなら、収益性や成長性がいくら高くても会社が倒産してしまってはどうしようもないためです。
ビジネスを営む中で多くの利害関係者が存在します。
例えば利害関係者以下のような方々が挙げられます。
- 株式を持っている投資家
- 商品の仕入れ先
- 従業員およびその家族
- 借入をしている銀行
そして会社が倒産することにより負の影響(インパクト)を与える可能性があります。
ですので、まずは会社が短期的に存続していけることを把握しておく必要があるのです。
収益性をなぜ分析するのか
収益性というのは、今後十分に利益を残していけるかどうかを分析することです。
収益性の低い会社というのは、将来的に安全性の悪化を及ぼすことに繋がる可能性もあります。
会社の安定的に成長していけるかどうかを含めて、成長性というものを分析しなくてはなりません。
安全性と収益性の裏づけがあってこそ会社は成長できる
安全性と収益性の裏づけがあって、やっと成長性というものに目を向けることができます。
会社が維持発展できるかを分析した上で、今後の成長性について検討する必要があります。
経営/投資/融資/与信
いづれの観点で考えても、これら安全性/収益性/成長性の3つを無視することはできないということになります。